執筆・監修:銀座みゆき通り美容外科 総院長 水谷和則
「目の下のクマをどうにかしたいけれど、治療法が多すぎて何を選べばいいのかわからない」――そんな声を、カウンセリングの場で本当によく耳にします。
インターネットを検索すると、「脱脂が一番」「脂肪注入が必須」「裏ハムラ法なら再発しにくい」「脂肪注入は必ずしこりになる」など、相反する情報が溢れていて、かえって混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、誰にとっても共通の「満点の手術」は存在しません。クマの原因や目の下の状態(脂肪の量、皮膚のたるみ、骨格、色調など)は人それぞれであり、「あなたの症状に最もフィットする術式」を選ぶことこそが重要です。言い換えるなら、「誰にでも当てはまる50点の治療」ではなく、「あなたにとって80〜90点の治療」を探すことが大切なのです。
このコラムでは、美容外科医として30年以上、数多くのクマ治療に携わってきた経験をもとに、代表的な4つのクマ取り手術について、それぞれの特徴・向いている症状・注意すべきリスクを整理して解説します。
詳細な説明に入る前に、「どの治療が、どんなタイプのクマに向いているのか」を一覧でまとめました。ご自身の状態と照らし合わせてみてください。
| 治療法(術式) | 向いている人の特徴 | 知っておきたいリスク・注意点 |
|---|---|---|
| ① 経結膜脱脂法(切らないクマ取り) | 10〜30代前半/皮膚にハリがある/色クマが目立たない/横顔で頬が前に出ている | 脂肪の取りすぎによるくぼみ・シワ増加・皮膚色の暗化 |
| ② 脱脂+脂肪注入法 | 頬のやつれがある/紫グマが濃い/笑顔でも目の下の溝が深くならない | 脂肪の定着率に個人差/しこり・凹凸のリスク |
| ③ 裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術) | 〜40代半ば/膨らみとへこみが混在/笑うと目の下の溝が強く出る | 脂肪が少ない・色クマ主体では効果が弱い/手術難易度が高い |
| ④ 表ハムラ法 | 皮膚のたるみが強い重度のケース/裏ハムラ法の適応範囲を超える症状 | ダウンタイムが長い/外反(あっかんべー)のリスク |
おおよそのイメージは掴めたでしょうか。ここからは、それぞれの術式についてもう少し詳しく見ていきます。
経結膜脱脂法は、まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、目の下の膨らみの原因となる眼窩脂肪を取り除く「切らないクマ取り」です。
脱脂で膨らみを減らしたあと、自身の太ももなどから採取した脂肪を目の下や頬に注入する方法です。ボリューム不足や色調の問題を同時に補える点が特徴です。
裏ハムラ法は、まぶたの裏側から眼窩脂肪にアプローチし、膨らんでいる脂肪をその下のへこみ部分へ移動させて、目の下の凹凸をならす手術です。
表ハムラ法は、まつ毛のすぐ下の皮膚を切開し、裏ハムラ法と同様に脂肪を移動させたうえで、余った皮膚を切除して引き上げる手術です。重度のたるみに対して用いられます。
ここまで4つの術式をご紹介してきましたが、「結局、自分にはどれが合うのか」をご自身だけで判断するのは簡単ではありません。
「脱脂法でお願いします」「脂肪注入を希望します」と、患者さん側から術式を指定してしまうケースもありますが、これは少し危険な選び方です。クマの原因は、脂肪の膨らみ・皮膚のたるみ・骨格・色素沈着などが複雑に絡み合っており、自己判断で正確に見極めることは難しいからです。
クマ治療で失敗しないために最も重要なのは、「正確な診断」です。熟練した医師であれば、正面だけでなく横顔・笑顔・上目遣いなど、さまざまな角度と表情から状態を確認し、あなたのクマの本当の原因を分析します。そのうえで、その原因を的確に解決できる術式を選ぶことが、治療成功の鍵になります。
また、特定の術式だけを絶対視して勧める医師には注意が必要です。ここで紹介した4つの基本術式は、長い年月をかけて適応と安全性が検証されてきた方法です。その中から、根拠をもって最適な組み合わせを提案してくれる医師を選ぶことが大切です。
銀座みゆき通り美容外科では、3万件以上の症例データをもとに、お一人お一人の顔の構造を解剖学的に分析し、最適な治療法をご提案しています。「自分にはどの治療が合っているのか知りたい」という方は、診察カウンセリングや画像メール診断をぜひご利用ください。一緒に、あなたにとって最良の解決策を見つけていきましょう。
『THE 美容外科 Essentials 目の下のクマ治療』
メディカ出版(2026年5月発売) 編著:水谷和則
ISBN-10:484049133X / ISBN-13:978-4840491334
監修 銀座みゆき通り美容外科大阪院(梅田)