鼻すじの中ほど部分が突出して目立つ鼻をわし鼻(鷲鼻)と言います。これを削り落として真っ直ぐにするのがわし鼻修正術(わし鼻削り)です。突出部分はハンプと言うので、別名ハンプ削りと言います。
いわゆるわし鼻は鼻骨と鼻軟骨という2種類の骨が隆起していることが原因で、この隆起した2つの骨の部分を合わせてハンプと呼びます。 鼻骨はいわゆる固い骨で、頭蓋骨と一体になっている固い骨です。 鼻軟骨はやや柔軟性のある軟骨で鼻骨と繋がっており、この繋がっている部分が隆起している状態がわし鼻です。
このわし鼻を削ることで、隆起のない自然できれいなラインを作ることができます。 ただし、骨を削るだけの治療では改善しない場合が多いです。
わし鼻の患者様は鼻が高い場合が多く、わし鼻修正術(わし鼻削り)によってちょうど良い鼻すじの高さになる場合がほとんどです。しかしわし鼻修正術(わし鼻削り)を希望して来院した患者様に対して安易にプロテーゼ隆鼻術を行い、日本人には似合わない高すぎの鼻(ギリシャ彫刻のような鼻根部から高い鼻)が作り出されている場合があるので注意が必要です。
また、わし鼻修正術(わし鼻削り)を行うと言って、ハンプをゴリゴリとヤスリで擦るだけの手術が行われている場合も少なくありません。しかし、たいていこの方法ではわし鼻は改善しません。
わし鼻の出っ張り部分であるハンプは、上半分が骨で下半分は軟骨です。骨はある程度ヤスリで削ることができますが、軟骨は硬めのゴムのような組織のためにヤスリで擦ってもほとんど削ることが出来ません。わし鼻修正術(わし鼻削り)の手術は鼻の穴の入口付近を切開してアプローチしますので、切開部分からヤスリを挿入すると、骨の手前に軟骨があるために、骨をヤスリで削ろうとしても軟骨を擦りつけているだけで一向に削れないのです。
軟骨はメスやハサミのような鋭利な刃物でしか削ることが出来ません。このため当院のわし鼻修正術では、まずハンプの軟骨部分をメスで適量カットし、次いで鼻骨を専用のノミで削り取ります。
ハンプが大きい場合はハンプを削ったことで鼻すじが太く扁平になってしまうことがあるので、引き続き鼻すじを細く整える鼻骨幅寄せ骨切り術を行います。