当院のオーダーメイドプロテーゼは、既製の隆鼻術プロテーゼを無理やり患者様に合わせるのではなく、患者様のお鼻の骨格(土台)にぴったり合わせて、かつご希望のお鼻の形に仕上がるようにデザインして隆鼻術プロテーゼを削りだすので、術後のぐらつきの心配もなく、かつ自然できれいなお鼻に仕上げることが可能なのです。
お洋服でも既製品とオーダーメイドがあるように、隆鼻術プロテーゼにも既製品とオーダーメイドがあります。
お洋服であれば、サイズぴったりでなくとも手軽な既製品を買う人は多いでしょう。でも、おそらく一生のうちに何度も受けることはないであろう美容整形手術で使用する隆鼻術プロテーゼもそれで良いでしょうか?
隆鼻術プロテーゼは100%オーダーメイドであるべきだと、当院では考えています。
しかし多くの美容外科では、簡便さから既製の隆鼻術プロテーゼが使用されています。
実際にはいくつかパターンがある既製の隆鼻術プロテーゼの中から、患者様のニーズに比較的合ったものを選んでそのまま、あるいは多少削って挿入するのが一般的です。もちろんそれでも問題なく仕上がるケースもあるでしょう。しかし所詮は既製品のアレンジですから、隆鼻術プロテーゼがフィットせずにぐらついたり、挿入した形が分かるように浮いて見えたり、一直線の人工的な鼻すじになってしまったり、鼻先の皮膚など部分的に過度の負担がかかり抜去や入替が必要になったりすることがあります。
もう少し詳しくご説明しましょう。
下の写真は当院で撮影した鼻の手術前レントゲン写真です。一般的な顔の(頭部の)レントゲン写真では頭蓋骨だけが写り、軟骨や皮膚はほとんど写ることはありませんが、当院では通常とは撮影条件を変えてこのような特殊なレントゲン撮影を行っています。真っ白く写っているのは骨で、うっすらと写っているのは鼻の軟骨や皮膚の輪郭です。
例えばこのケースで現状(赤点線)から手術後のシミュレーション(黄色点線)のように鼻を高くしたい場合、単純にその差の部分の形をした隆鼻術プロテーゼ(緑点線)を挿入すれば良いように思われます。実際既製の隆鼻術プロテーゼはそのような根拠で作られているものが多くあります。またそのような発想で隆鼻術プロテーゼを選択して挿入している美容外科医も少なからずいるようです。
しかし実際にそのような根拠で作った隆鼻術プロテーゼを挿入しても、予定した結果に仕上がらないことが珍しくありません。
その理由は、外見の鼻すじの輪郭(赤点線)と鼻の骨格(鼻骨や鼻軟骨)の輪郭(青点線)が一致しないことにあります。(真っ直ぐな鼻すじに見えても、鼻骨や鼻軟骨の輪郭は真っ直ぐではありません。それでも鼻すじが真っ直ぐに見えるのは、骨格を覆う皮膚や皮下組織の厚みが均一ではないからです。)
隆鼻術プロテーゼを皮膚の上に乗せるのなら、差の部分の形をした隆鼻術プロテーゼ(緑点線)で良いかもしれません。しかし実際には隆鼻術プロテーゼは皮膚の上ではなく、皮膚の下にある鼻の骨格(鼻骨や鼻軟骨)の上に乗る形で挿入されます。したがって鼻骨や鼻軟骨の輪郭に一致していない場合は隙間ができてしまいます。
隆鼻術プロテーゼが鼻骨の骨膜下という部分に正しく挿入され鼻骨にぴったり密着していれば、術後に鼻すじに触れても隆鼻術プロテーゼがぐらつくことはありません。しかし隆鼻術プロテーゼが正しく骨膜下に挿入されていない場合や、骨膜下に挿入したつもりでも隆鼻術プロテーゼと鼻骨のカーブのズレが大きい場合、隆鼻術プロテーゼは鼻骨から離れて浮き上がり、予定よりも高すぎに仕上がったり、鼻すじに触れると隆鼻術プロテーゼがグラグラに動いたりします。
また既製の隆鼻術プロテーゼは直線的な形をしていることが多いので、厚みがあるものを挿入すると、皮膚が比較的薄い鼻すじの中央部分が不自然に直線的に見えることがあります。論外ですが、隆鼻術プロテーゼの長さが鼻すじの長さに合っていないのにそのまま挿入されてしまった場合や、鼻先に挿入される部分が分厚すぎる場合は、鼻先の皮膚に過度の負担がかかり、そのまま放置すると皮膚が薄くなって破れて飛び出す恐れもあります。
これに対して当院のオーダーメイドプロテーゼは、手術前に鼻のレントゲン撮影を行って鼻骨や鼻軟骨の輪郭を写し出し、それにぴったり合わせて隆鼻術プロテーゼの形をデザインします。次に医療用のソフトシリコンブロックからデザイン通りに隆鼻術プロテーゼを削り出し、これを鼻骨の骨膜下に正確に挿入します。オーダーメイドプロテーゼは鼻骨や鼻軟骨の上にぴったり納まるので、ぐらつく心配も、不自然に直線的に浮いて見える心配も、鼻先の皮膚に過度の負担がかかる心配もありません。
手術前の鼻のレントゲン写真
鼻骨や鼻軟骨のカーブに合わせてデザインした通りに削り出したオーダーメイドプロテーゼ
手術後の鼻のレントゲン写真オーダーメイドプロテーゼが、デザイン通りぴったり挿入されています。
オーダーメイドプロテーゼの挿入例。いずれも鼻骨や鼻軟骨の土台にピッタリ挿入されています。
これら当院で撮影したレントゲン写真は、鼻の皮膚や軟骨、骨、そしてシリコンプロテーゼを同時に写し込むように設定した特殊撮影のためにクッキリと隆鼻術プロテーゼが写しだされていますが、先に触れたように普通の頭部のレントゲン検査は骨を映し出すことを主な目的として設定が異なるので、皮膚や軟骨、シリコンプロテーゼはほとんど写し出される事はありません。
また余談になりますが、隆鼻術プロテーゼがブラックライトで白く光るということは一切ないので、ご安心ください。
当院の鼻のレントゲン写真(隆鼻術プロテーゼ挿入後)
同一患者様の普通のレントゲン写真。(隆鼻術プロテーゼ挿入後)
骨以外のものはほとんど写っていません。
不適切な隆鼻術の場合、隆鼻術プロテーゼが曲がって挿入されたり、浮き上がって目立ったり、鼻をつまむと動いたり、鼻先の皮膚が赤や白に変色したり、皮膚が薄くなってきたり、など隆鼻術後のトラブルが発生することがあります。どのような些細なことでも、遠慮なくご相談ください。当院では、他院隆鼻術の修正手術にも積極的に取り組んでおります。
■隆鼻術プロテーゼが鼻骨の骨膜下に挿入されず、鼻骨から離れて浮き上がりがある症例(予定よりも高すぎに仕上がったり、鼻すじに触れると隆鼻術プロテーゼがグラグラに動いたりします。)
■隆鼻術プロテーゼ挿入後に鼻先の皮膚に過度の負担がかかり、違和感や痛みを伴ったり、皮膚が薄くなってきたりした症例
■隆鼻術プロテーゼの角と鼻先の位置が合っていないために鼻の形も不自然で、鼻先の皮膚に過度の負担がかかっている症例
■当院で隆鼻術プロテーゼ入れ替えなどの修正を行った症例
鼻骨の骨膜上に挿入されていた隆鼻術プロテーゼを骨膜下に挿入
隆鼻術プロテーゼ挿入後に、鼻すじが直線的・人工的で、鼻先がアップノーズになっていたのを、当院のオーダーメイドプロテーゼで自然なプロフィールに修正(鼻先には耳軟骨を挿入)
※承認を受けていない医療機器・薬剤について個人輸入された医薬品の使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html