当院では、安全性と効果を充実するために、最新の切らない高周波RFによるわきが多汗症治療機器を導入するなど安全で確実なワキガや多汗症の治療を行っております。また、手軽に汗の量を抑えるボトックス注射療法もございますので、一度ご相談下さい。
アポクリン汗腺は、皮膚の内側で毛穴に開口しており、アポクリン汗腺より分泌されるアポクリン汗は毛穴を伝って体表へと流出します。
また、アポクリン汗腺は脇の下や外耳道(耳の穴の中)、乳輪周辺や肛門周辺など限られた場所に存在し、分泌成分には脂肪分やたんぱく質などを多く含むため、べとついた感じのする汗になります。
この分泌成分は皮膚表面で常在菌に分解され独特な臭いを放つワキガ(わきが)臭の元となる「ワキガ物質」となります。
このアポクリン汗腺は性腺ともいわれ、動物では、発情期などに活発に働き臭いを放つことで異性を引き寄せる、いわゆるフェロモンの役割をするもので、アポクリン汗腺は人が哺乳動物であったときの名残であると考えられています。
一般的に、狩猟民族系である欧米人はその働きが強く、わきが(ワキガ)体質の方が大半を占めるのに比べ、日本人など農耕民族ではその働きが弱く、体臭も薄く、わきが(ワキガ)体質の方は少ない傾向にあります。
アポクリン汗腺・エクリン汗腺・皮脂腺、それぞれの分泌腺からの分泌成分がそれぞれの役割を持ち、わきが(ワキガ)という症状を呈するわけですが、この中でも“わきが(ワキガ)”の元凶となる分泌腺が「アポクリン汗腺」です。
わきが臭を生じるメカニズムとしては、
アポクリン汗の成分には脂肪分やたんぱく質を含むことは前述しましたが、具体的には脂肪酸・中性脂肪・糖分・鉄分・色素・蛍光物質・尿素・アンモニア・タンパク質が含まれており、乳白色をした粘り気のある汗です。
わきが(ワキガ)の元凶であるアポクリン汗腺は、ワキガ体質でない方にも存在します。では、なぜ、わきが(ワキガ)になる方とならない方が存在するのか?また、その違いは何なのか?
それは、アポクリン汗腺の発達状況や数量、分泌量、分泌成分中の脂肪酸の含有量などに起因し、相対的に一般の方よりもワキガ体質の方のほうが脂肪酸の分泌量が多いためと考えられています。
アポクリン汗腺から分泌される汗は乳白色で粘り気があり、以上のような様々な物質を含んでいるので、細菌などによって分解されたときに独特なニオイが発生するのです。また本来、脂肪酸などは皮脂腺から分泌される物質なのですが、動物性脂肪の多い肉類中心の食生活をしていると、アポクリン汗腺からも分泌されるようになり、わきが(ワキガ)や体臭のニオイの原因となってしまうので注意が必要です。
多汗症は多く汗をかく症状のことで、脇の下の場合、正確には腋窩多汗症(えきかたかんしょう)といいます。
ここでは腋窩多汗症を多汗症として説明してまいります。
ここでは主に、エクリン汗についてお話しさせて頂きます。また、エクリン汗を作り出すエクリン汗腺は体表のほとんどに分布しています。
エクリン汗腺が働き汗を掻くメカニズムには二通りあり、一つは体温調節で、もう一つは交感神経によるものです。
体温調節は、体温を一定の温度に保つために必要な機能です。
具体的には、体温が上昇し始めると、体温を下げようとエクリン汗腺が活発に働き、水分を多く含んだエクリン汗を分泌し、体表を潤します。体表に出たエクリン汗の主成分である水分は体温で暖められるのと同時に体温を奪って気化し(気化熱)、体温を下げる役割を果たします。
もし汗を掻かなかったら、運動時や気温の高い時期、風邪を引いたときなど体温を放出できず、体温は上昇し続け、死にいたることになるほど重要な機能です。
交感神経による機能は、さほど重要な機能というわけではなく、緊張や興奮など神経が高ぶると働く機能で、「冷や汗」や「手のひらに汗」などは代表的な例です。
脇の下は元々通気性も悪く暖められている箇所ですので、どなたでも脇の下に汗をかきます。
では多汗症とそうでない状態はどうやって区別したらいいかということになりますが、具体的な線引きはありません。あくまでも汗の量に対してご本人がどれほどの不快感を感じているかということになります。
臨床の中で、多汗症を治療したいといって来院された患者様の自覚症状から、どの程度の発汗量が不快に感じやすいかということで申し上げるとすれば、
といった症状のようです。
多汗症の治療についてはあくまでもご本人の自覚によるものですので、上記のような症状を感じることがあったからといって、必ずしも治療を受けなければならないということではなく、同様の症状を感じている方でも、特に不快に感じていなければ治療する必要はありません。
多汗症は、あくまでもご自身が、わきの下の発汗量を不快に感じる場合であって、多くても気にならない方もいれば、逆にさほどの発汗量でなくても気になるのであれば、それはその方にとって「多汗症」ということになるのかもしれません。
多汗症の治療では、汗を全く出なくする方法や軽減する方法、一定の期間だけ汗を抑える方法などがありますので、発汗量を改善したい方は、現在の症状と、どの程度の改善を希望するかなど考慮して治療方法を選択されるとよいでしょう。