鼻尖とは鼻先のことで、鼻尖形成術(鼻尖縮小術)はだんご鼻の丸みを取り細くすっきりさせる手術です。鼻の穴を縦長に形良く治す効果もあります。
典型的なだんご鼻では、鼻の穴が丸く左右に広がったような形をしています。これは鼻先の骨格である左右一対の鼻翼軟骨の間に軟部組織(皮下組織や脂肪)が詰まり、鼻翼軟骨が広がっているためです。これに対して鼻先がすっきり細い鼻では、鼻の穴は縦長で中央向きに寄り添っています。これは鼻翼軟骨の間の軟部組織が少なく、鼻翼軟骨が広がらずに左右密着しているからです。
当院の鼻尖形成術(鼻尖縮小術)では、鼻の穴の中だけ切開し(クローズ法)、丸みの原因である鼻翼軟骨周囲の軟部組織を十分に取り除き、さらに鼻先の骨格を細く形良く形成するために、鼻の状態や治療目的に応じて、耳軟骨を移植することもあります。
鼻尖形成術(鼻尖縮小術)の手術後は1週間プラスチックギプスで固定します。ギプスは鼻先を覆うだけなので風邪のマスクで隠れます。
尖形成術(鼻尖縮小術)では鼻先が細くなると同時に鼻の穴も縦長に修正され、術後に元に戻ることはありません。(軟部組織を除去しないで、左右の鼻翼軟骨を縫合するだけでは、形の仕上がりも不良で術後に元に戻ってしまう可能性があります。)
鼻尖部・鼻柱部の耳軟骨移植術は、鼻先や鼻柱(鼻の穴の間に部分)に耳軟骨を挿入して鼻先を高くしたり、鼻先の向きを上げたり、下げたりする手術です。
プロテーゼを鼻先に挿入すると、その厚みによっては鼻先の皮膚に負担になり皮膚が薄くなるリスクがありますが、耳軟骨は鼻先の軟骨と一体化するのでそのようなリスクがありません。このため鼻先を相当高くする場合や、鼻先の向きを上向きや下向きに修正する場合に安全です。
この手術は単独で行うこともありますが、鼻尖形成術(鼻尖縮小術)と組み合わせて行ったり、隆鼻術でL型プロテーゼを挿入する代わりにI型プロテーゼと組み合わせて行ったりすることが多い手術です。これらの組み合わせによって、鼻すじを高くして同時にダンゴ鼻を治して鼻先を下向きにする、というふうな様々なニーズに応じた手術が可能になります。
当院では、術後の患者様の負担を少なくするためにいわゆる耳(耳介部分)ではなく、主に耳の穴の中から耳珠(じじゅ)の軟骨を採取して移植手術を行っているので、ガーゼなどの固定はありません。耳珠の軟骨で不足がある場合は耳介軟骨を採取します(この場合は1週間ほどガーゼの固定をつけます)。どちらを採取した場合でも、耳の変形はありません。
鼻先は1週間プラスチックギプスで固定します。
鼻尖部・鼻柱部耳軟骨移植術、鼻尖形成術(鼻尖縮小術):鼻先の丸みを取り、鼻先を高くして、鼻柱を延長し鼻先を下げる。
鼻尖部・鼻柱部耳軟骨移植術:鼻先を高くして、鼻柱を延長し鼻先を下げる。
鼻尖部耳軟骨移植術:L型プロテーゼ挿入後のトラブルで陥没してしまった鼻先を耳軟骨移植で修復。
鼻柱が下方に延長していて目立つ場合に、削ってめだたなくする手術です。鼻翼軟骨の一部を削ることで修正できます。
鼻柱部耳軟骨移植術(耳軟骨を鼻柱に移植して延長する手術)の逆のような手術です。
手術は鼻の穴の中から行い、2~3日間肌色のテープで固定します。