本来二重まぶたは平行型になるものですが、日本人の場合、目頭に蒙古ヒダという皮膚のかぶさりがあるので、二重が目頭のヒダに引き込まれて末広がり型になることがあります。
蒙古ヒダというのは、目頭にかぶさるように上のまぶたからの皮膚がついている部分のことを言います。日本人などの黄色人種には多くみられます。(日本人でももともと無い方も多いですが) 西洋人にはありません。
この蒙古ヒダを切開して、もともと無い方のようにする治療が「目頭切開」です。
二重まぶたは末広がり型と平行型の二つのタイプがあります。
二重まぶたが末広がり型であること自体は全く問題ないのですが、目頭のヒダが発達していると、まつ毛がチクチク刺さったり(逆さまつげ)、目の内側が隠れて小さく見えたり、左右の目が離れて幼く見えたり、キツイ目つきに見えたりすることがあるので、これらを改善したい場合には目頭のヒダのかぶさりを取り除く目頭切開術が効果的です。
目頭切開術を行うと、左右の目の間隔が短くなり、目の横幅が長くなり、末広がり二重が平行型二重に変わります。
目頭切開の代表的手術法にはW形成法(内田法)目頭切開術とZ形成法目頭切開術があり、当院では患者様のまぶたの状態に適した目頭切開手術法を選択して施術しています。
目頭切開術をした部分は、髪の毛ぐらいの細いナイロン糸で縫合します。
末広がり型二重まぶたの場合は目頭切開単独の治療で平行型二重まぶたに整形できます。一重まぶたの場合は二重まぶた手術と目頭切開を併せて行います。
奥二重の患者様でしたが、まぶたが弛んでだぶついた感じを解消したいとのご希望でしたので、全切開法二重まぶた手術で皮膚切除を行い、スッキリした二重まぶたを作る方針としました。また平行型二重まぶたの希望でもあったので、目頭切開術(W形成法)を併用しました。
手術前
まぶたが弛んでだぶついた感じがあります。
手術後(3ヵ月後)
腫れも引き、弛んだ感じも解消しています。スッキリした平行型二重まぶたになりました。
手術後(3ヵ月後)
目を閉じても傷は目立ちません。
目頭切開では、盛り上がった肥厚性瘢痕(ケロイド)が残ったり、ひきつれの様な傷や凹みを生じることがあります。
肥厚性瘢痕(ケロイド)の場合はステロイド注射でしますが、引き攣れや凹凸などはももう一度接合部を切除して再縫合する形成術を行い修正します。
目頭切開手術を受けた後、期待していた結果と違ったり、手術が過剰に行われたため、目と目の間の距離が狭まり不自然になったと感じる方がまれにいらっしゃいます。
目頭切開の術後に元の状態に戻すことは極めて難しいとされています。しかし、V-Y法の理論を応用して蒙古襞の形成を行うことで、元の形状に近づけることが可能です。さらに、控えめに少しだけ戻すこともでき、手術中に患者が鏡で確認しながら調整して決めることができます。