執筆・監修:銀座みゆき通り美容外科 総院長 水谷和則
前回のコラムでは「脱脂+脂肪注入法」について解説し、この治療が“笑った時に溝が深くならないタイプ”の方に適していることをお伝えしました。
では、笑顔を作るとティアトラフ(目の下の溝)がくっきり深くなるタイプの方は、どの治療を選ぶべきなのでしょうか?
その答えが、今回解説する裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)です。当院でも、目の下の強い膨らみと深いへこみが同時に存在する患者様に対して、この裏ハムラ法を非常に多く行っています。
裏ハムラ法は、膨らんだ眼窩脂肪を「取り除く」のではなく、下方向のへこんだ部分(ティアトラフ)へ移動させて固定する手術です。
この術式はアメリカのハムラ医師が考案した方法で、まぶたの裏側(結膜側)からアプローチするため皮膚を切りません。皮膚側から行う場合は「表ハムラ法」と呼ばれ、皮膚切除も併用できます。
目の下のクマは、膨らみ(プラス)と溝のへこみ(マイナス)がセットになって影を作っています。
脱脂法は膨らみを減らすだけですが、裏ハムラ法は膨らんだ脂肪を溝にスライドさせることで、プラスとマイナスを同時に解消し、自然なフラットラインを作ることができます。
さらに、溝を作る原因である靭帯の引き込みを解除し、そのスペースに脂肪を敷き詰めるため、笑った時に溝が深くなる現象を根本から防ぐことができる点が最大の特長です。
笑った時に溝が強く出るタイプは、靭帯の引き込みが原因です。靭帯を処理できる裏ハムラ法が最適です。
目袋が大きく、溝も深い場合、脱脂だけでは溝が残り老けた印象になります。裏ハムラ法なら脂肪を移動して自然に凹凸を解消できます。
裏ハムラ法は皮膚を切らないため、皮膚のたるみが強い方には不向きです。軽度のたるみまでが適応範囲です。
裏ハムラ法は凹凸を治す手術のため、紫グマや茶グマなど「色」が主症状の方には効果が期待できません。
移動させる脂肪が不足している場合(元々脂肪が少ない、過去に脱脂を受けているなど)は、裏ハムラ法単独では改善が難しく、脂肪注入の併用が必要になります。
裏ハムラ法は、狭い術野で靭帯処理・脂肪移動・固定を行う非常に難易度の高い手術です。医師の技術力によって結果が大きく左右されます。
裏ハムラ法は、脂肪を捨てずに活用し、凹凸を自然に整えられる優れた手術です。靭帯処理により再発しにくく、長期的に自然な仕上がりが続きます。
しかし、適応判断と技術力が結果を大きく左右するため、裏ハムラ法の症例経験が豊富な専門医を選ぶことが非常に重要です。
「自分は裏ハムラ法が合うのか?」と感じた方は、ぜひ専門医の診察を受けてみてください。当院では、骨格・皮膚・脂肪量・表情変化を総合的に分析し、最適な治療法をご提案しています。
裏ハムラ法により皮膚を切開することなく、眼窩脂肪を適切な位置へ移動・固定することで、目の下の膨らみと凹みを同時に改善しました。膨らみが解消されたことで、自然な涙袋の形が際立ち、明るい印象の目元になりました。
裏ハムラ法により皮膚を切開することなく眼窩脂肪を適切な位置へ移動・固定することで、目の下の膨らみと凹みを同時に改善しました。下まぶたの凸凹が解消され、すっきりとしたフラットなラインが形成されています。
掲載している写真は、当院で実際に施術を受けられた患者様の経過を記録したものです。結果には個人差があり、すべての方が同じ仕上がりになるわけではありません。
『THE 美容外科 Essentials 目の下のクマ治療』
メディカ出版(2026年5月発売) 編著:水谷和則
ISBN-10:484049133X / ISBN-13:978-4840491334
監修 銀座みゆき通り美容外科大阪院(梅田)